「国立故宮博物院南部院区」は2015年末に試運転として開館し、政府の全国民、特に南部在住の人々に対する責務を果たしています。故宮南院建設計画は構想から実現まで15年を要し、陳水扁と馬英九の2名の総統、及び杜正勝、石守謙、林曼麗、周功鑫、馮明珠の5名の院長が歴任しました。
2001年7月、杜正勝前院長は「故宮新世紀建設計画」を提案しましたが、その中には南院建設計画が含まれており、2003年1月には嘉義県太保市の70ヘクタールの土地が南院用地として選ばれました。そして台北院区の発展方向との重複を避け、かつ全アジアというより高い視点に立って研究、収集、他所のコレクションの展示等多元的な方向性を通じ、全アジアの芸術的概念と文化史観をカバーするという観点から「国立故宮博物院南部院区」が建設されることになりました。2004年12月15日、行政院は故宮南院建設計画を承認し、当初の予定では2008年に開館、運営されることになっていましたが、契約履行争議から工事は停滞し、2007年8月30日、林曼麗前院長が1回目の計画変更を行い、開館時期を2011年に延期しました。しかし2009年8月8日のモーラコット台風の豪雨により、当時博物館周辺の水利工事はまだ完工していなかったことから、故宮南院用地は全て水没してしまい、博物館建設設計等の契約は次々に中止を迫られました。
2010年10月22日、周功鑫前院長の指導の下、「国立故宮博物院南部院区建設第2次修正計画」が完成し、行政院は2015年末の開館試運転を承認し、博物館のハードウェア工事は内政部建設署の代理手続きに委ねられ、博物館の内装工事、展示計画、美術設計、各種ソフトウェアの計画及び50ヘクタールの園内景観造営等は本院が自ら行うことで改めて計画が始動し、故宮南院建設計画は画期的な進展を遂げました。そして2013年2月6日には本館が起工し、2014年6月5日には棟上げが行われ、工事は順調に進み、2015年12月28日、ついに予定通りに開館試運転が行われ、国家が国立故宮博物院に託した氏名を達成することができました。