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南院のご紹介

組織と位置付け

「南北の均衡・均しく豊かな文化」を実現し、台湾中南部地域の文化、教育、社会及び経済の発展を促すため、行政院(台湾の最高行政機関)は2004年12月15日、嘉義県太保市に国立故宮博物院南院の設置を決定し、「アジア芸術文化博物館」と位置付けました。

国立故宮博物院の北院と南院は、同等関係にあって互いに補完し合い、南北における重要な文化拠点として、均しく豊かな芸術の理念を実現します。

建築と園内の景観

A.

博物館建築

故宮南院の総敷地面積は70ヘクタール。このうち博物館エリアは20ヘクタール、景観エリアは50ヘクタールです。博物館の建築は建築家の姚仁喜氏による設計で、中国水墨画の濃墨、飛白(かすれ)、渲染(ぼかし)の三つの筆法にインスピレーションを得た、「虚」と「実」のが織りなす流線型の建物です。

博物館建築

「実」をイメージした「墨韻楼」は、主に展示ホールと文物収蔵庫のスペースで、「虚」をイメージした「飛白館」にはメインホール、博物館教育施設、飲食店、ミュージアムショップなどがあります。

中央の歩道は南端の至美橋を起点に、緩やかなカーブを描きながら「虚」と「実」の博物館建築に囲まれた中庭へと続きます。これが「渲染(ぼかし)」をイメージした設計です。二つの建物と歩道が形成する三本は、中華、インド、ペルシャの古代三文明が長い歴史の大河の中で交わり合い、多様で輝かしいアジアの芸術文化を生み出してきたことを象徴しています。

B.

至美橋

至美橋

至美橋は湖を跨いだ歩行者と自転車のみが通行できる橋で、水面から抜き出たアーチが低空で優雅な弧を描いています。橋の長さは142m。人工池の底の防水効果を損なわないよう橋脚のない構造になっており、長いスパンで両端を一跨ぎした鋼アーチ橋です。また、橋の構造は控えめで軽量化をデザインの原則とし、メインアーチとS字型にカーブした橋面の間の吊材と横桁のみで橋を支えています。長さと角度がすべて異なる25本の吊材は、橋面のカーブに沿って変化のある並びとなり、少しずつ角度が変わっていくリズム感に富んでいます。

吊材を際立たせると同時に、橋面と日除けボードの排水性を考慮し、橋面中央を開放的なデザインにしています。これにより橋の左右を自由に行き来でき、両側の湖の景色をゆっくりと楽しむことができます。 また、橋面はやや南側にやや傾いており、南北両端は1mの高低差があります。一端が水面に触れるような姿が、橋全体の軽やかなイメージを演出しています。

C.

園内景観

園内景観

園内は来館者や周辺地域の住民の憩いや運動の場としてばかりでなく、洪水防止とエコロジーの機能も備えています。園の周りには周遊歩道が整備され、沿道には水景花園、熱帯花園、慶典花園などがあり、地形の起伏に合わせて湖を見渡せるスポット、あずまや、歩道などを設置し、美しい園内景観を楽しめる動線となっています。眺めが絶好のスポットに、南側入口の「故宮南院興建記石碑」、芸術の丘、水岸舞台、出眺景観台などがあります。

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